ムスリム女性の服装とは何か

ムスリム女性の服装とは、イスラム教の慎みの考え方にもとづき、髪や首、体の線をゆったりした衣服で覆う装い全般を指します。代表的なものは、頭と首を覆うヒジャブ、ゆったりした長い上着のアバヤ、くるぶしまでのワンピースやスカート、幅広のパンツ、手首まで届く袖です。

どこまで覆うかについての考え方は一つではありません。顔と手以外をすべて覆う女性もいれば、普段着を長めに着こなす女性もいますし、顔まで覆う人もいます。法学派や学者によって見解が分かれ、出身国の習慣も影響します。良し悪しは判断せず、実用面の選択肢を紹介します。信仰上の疑問は、信頼できる学者や所属するモスクのイマームに尋ねるのが望ましいでしょう。

日本には、留学生、会社員、国際結婚をした女性、日本で生まれ育った人、改宗した日本人など、さまざまな背景のムスリム女性が暮らしています。そのため「正解の一着」はなく、人によってムスリム女性の服装の選び方は大きく異なります。たとえば東京の大学に通う留学生はロングシャツにワイドパンツ、地方の工場で働く女性は作業着の下に長袖のインナー、日本人と結婚した主婦はゆったりしたワンピースと、毎日の暮らしに合わせて工夫しています。服装は生活の中で少しずつ育っていくものです。

梅雨と猛暑に合うムスリム女性の服装と素材

日本の夏は高温多湿で、長袖と長い丈のイスラム服 女性向けの装いは暑さが大きな課題です。綿ガーゼ、リネン、薄手のレーヨン、キュプラなど通気性と吸湿性のある素材を選ぶと、控えめな服装でも過ごしやすくなります。白、ベージュ、淡いグレーなど熱を吸いにくい明るい色もおすすめです。

ヒジャブ コーディネートの面では、ジャージー素材が楽ですが真夏は暑く、シフォンは涼しい反面すべりやすいため、ピンやインナーキャップが必要です。化繊は汗で肌にはりつきやすいので、綿やモダール混の生地を選ぶ人が多くいます。

梅雨の時期は、裾が濡れて重くなりにくい速乾素材や、くるぶしより少し上の丈が便利です。フード付きのレインコートなら、ヒジャブを濡らさずに歩けます。

日傘とアームカバーを味方にする

日本には、紫外線を避けるために日傘や長いアームカバー、つばの広い帽子を使う習慣があります。腕や手を覆いたいムスリム女性にとって、これらは違和感なく使える便利な道具です。涼感素材のアームカバーを長袖の下に着ければ、汗対策にもなります。

街なかで長袖の羽織りものを着る人は夏でも珍しくなく、冷房の効いた電車や店内では必須です。ストールを首にかけておけば、屋外ではヒジャブの上からも使えます。

ただし、真夏の屋外では熱中症に注意が必要です。日本の夏は夜も気温が下がりにくいため、夕方以降の外出でも薄手の素材を選び、水筒を持ち歩く人が多くいます。こまめな水分補給と日陰での休憩を心がけ、気分が悪いときは無理をせずに服を緩めて休みましょう。

冬の寒さと雪国で控えめな服装を着こなす

冬の日本は地域差が大きく、東京では乾燥した寒さ、北海道や東北、北陸では雪が続きます。ロングコートやダウンコート、マフラー、手袋は誰もが使うため、ムスリム女性の控えめな服装が目立つことはあまりありません。

寒い季節のムスリム女性の服装では、重ね着のコツは、首の高い発熱インナー、長袖のカットソー、ロングワンピース、その上にウールのコートという順番です。暖房の強い電車や店内では上着を脱いでも覆いが保たれるよう、中の服を長袖と長い丈にそろえておくと安心です。

雪の日は、裾が長いと濡れたり踏んだりしやすいため、くるぶし丈にブーツを合わせる人もいます。ヒジャブの上にニット帽をかぶり、マフラーを巻く方法が一般的です。静電気が起きやすい乾燥期は、天然素材のインナーが快適です。

ムスリム女性 服を買える場所

ムスリム女性 服の専門店は多くありませんが、東京の新大久保周辺や各地のハラール食品店で、ヒジャブやアバヤ、礼拝用の服を扱う店があります。インターネット通販では、海外の専門店や国内のモデストファッションの店を比較できます。

一般のアパレル店でも、ロングスカート、ワイドパンツ、丈の長いシャツワンピース、長いカーディガンなど、控えめな服装に使えるものが多くそろっています。試着ができる店では、座ったときや腕を上げたときの丈も確認しましょう。

ネット通販では、返品の可否は販売者が表示した条件によります。日本の通信販売にはクーリング・オフ制度がないため、購入前に返品条件を必ず確認してください。困ったときは、消費者庁の案内や、最寄りの消費生活センターに電話で相談できる消費者ホットライン188を利用できます。

職場・学校・日常生活での装い

日本の職場では、シャツにロングスカートやワイドパンツを合わせた控えめな服装がそのまま通用することが多いです。通勤電車で混雑する時間帯には、バッグを前に抱えられるサイズのものを選び、スカーフがドアや人にひっかからないよう端を内側に入れると安心です。制服のある職場では、スカーフや袖の丈について事前に相談しておくと、お互いに無理のない形で決められます。

学校や大学では、体育や水泳の授業が最も悩みやすい場面です。長いジャージとラッシュガードで参加する、全身を覆う水着を使うなどの方法があり、対応は学校ごとに異なります。早めに担当の先生と話しておくと安心です。

病院にかかるときは、診察で服を脱ぐ必要がある場合に女性の医師や看護師を希望できるかを、受付で尋ねてみるとよいでしょう。すべての施設が同じ対応をするわけではありませんが、丁寧に頼めば調整してもらえる場合があります。

礼拝・祝祭日・結婚式の服装

礼拝には、頭から足首までを一枚で覆う礼拝用の服が使われます。折りたたんで鞄に入れられるため、職場や学校で礼拝する人に便利です。色や形については学者の間でも見解が異なるので、迷ったときはイマームに尋ねてください。

ラマダン明けのイード・アル=フィトルや犠牲祭のイード・アル=アドハーには、東京ジャーミイをはじめ各地のモスクに多くの人が集まります。この日は華やかな色のアバヤや刺繍の入ったワンピースを新調し、家族や友人と会う姿が見られます。

結婚式では、日本の親族が着物や礼服で参列し、ムスリムの家族がそれぞれの国の民族衣装で参加することも珍しくありません。着物は袖が長く体の線が出にくいので、控えめな装いに近い形で着こなした例があります。許容範囲は家庭や共同体によって異なるため、迷ったら身近な年長者や学者に相談しましょう。

よくある質問

日本でヒジャブをつけて働いたり学んだりできますか?

日本にはヒジャブ全般を禁じる法律はなく、職場や学校での扱いは各機関の規則によります。制服や安全基準がある場合は、就職や入学の前に担当者へ相談しておくと、事情に合った調整をしてもらえることが多いです。

蒸し暑い夏に長袖を快適に着るコツは?

リネンや綿ガーゼ、薄手のレーヨンなど通気性のよい素材を選び、明るい色とゆったりしたシルエットを心がけましょう。涼感素材のインナーや日傘を併用すると体感温度が下がり、汗のべたつきも抑えられます。

アバヤやヒジャブはどこで購入できますか?

東京の新大久保周辺やハラール食品店、インターネット通販、一般の衣料品店などで探せます。通販は返品条件を購入前に確認し、サイズ表記が国によって違う点にも注意してください。

どの程度覆うべきかは誰が決めるのですか?

一つの基準があるわけではなく、法学派や学者、地域の習慣によって見解が分かれます。自分が従う学派の学者や身近なモスクのイマームに相談し、日本での暮らしに合った形に整えていく人が多いです。